【舞台挨拶レポ】高杉真宙、伊藤万理華、深川麻衣、安田顕ら豪華キャスト登壇!映画『架空の犬と噓をつく猫』完成披露上映会

映画『架空の犬と嘘をつく猫』の完成披露上映会が12月10日、TOHOシネマズ日比谷で開催された。原作は本屋大賞ノミネート作家・寺地はるなの同名小説。森ガキ侑大監督が実力派キャストを迎え、ある家族が抱え続けた“嘘”と“愛”の30年を丁寧に描いた作品だ。
舞台挨拶には、高杉真宙、伊藤万理華、深川麻衣、安藤裕子、向里祐香、安田顕、そして森ガキ侑大監督が登壇した。

長男・羽猫山吹を演じた高杉真宙は、「撮影は1年半前で、ようやく皆さんに届けられる日が来て嬉しい」と挨拶。優しい嘘をついてしまう役柄について、「彼は“優しい”という言葉が嫌いなのではと思いながら演じていました。“優しい”って本当に褒め言葉なのかな。意外と自分のために優しくしていることも多い」と自身の考えを語った。

高杉と三度目の共演となる伊藤万理華が「役によって雰囲気は変わるけれど、高杉さんは高杉さんでした」と笑顔で話すと、高杉も「前より話せるようになりました。お互い大人になったんでしょうね」と照れた表情を見せ、ふたりの関係性の良さが伝わる一幕となった。

山吹の初恋相手・遠山かな子役の深川麻衣は、「わかりやすく言えば“あざとい女性”の括りかもしれないですが、母親との関係が共依存的で、無意識にそうなってしまう部分がある女性。複雑な人生を歩んでいる人物です」と役について説明。
伊藤が演じる佐藤頼とは三角関係という話題になると、高杉が「役とはいえ気まずかった」と苦笑。だが、深川と伊藤は撮影が休みの時には一緒に遊びに行くほど仲が良かったと明かし、会場を沸かせた。

母・羽猫雪乃役の安藤裕子は、「母親である自分にも刺さる役。山吹が向けてくる優しさと自分の在り方が、どこか依存し合っているようで胸が痛かった」と振り返った。

姉・紅を演じた向里祐香も「この役を通して、家族について改めて考えました」と語り、「高杉さんは本当に芯のある優しい方」と印象を語った。

父・淳吾役の安田顕は「どうしようもなく逃げてしまう男」と自らの役を苦笑しながら紹介。森ガキ監督は安田の起用理由について「何も語らずとも哀しみや不穏さを漂わせられる」と話し、安田も「ほとんど喋らない役でしたが、沈黙にいろんな感情が詰まっていました」と語った。

また、子ども時代から大人まで“30年の時間”をつなぐ子役キャスティングについて、監督がキャストの幼少期の写真を参考にオーディションを行ったと明かすと、高杉らは「本当に似ていました」と驚いた様子だった。

さらに、タリン・ブラックナイト映画祭で本作が撮影賞を受賞したことも紹介され、森ガキ監督がトロフィーを披露。キャスト陣が「中の動物は犬?猫?狼?」とデザインについて盛り上がり、客席からも笑いが起こっていた。

イベント後半では、映画タイトルにちなみ“これまでについた優しい嘘”をテーマにトークを展開。
深川は、マネージャーに車で送ってもらった際にコンビニで降りたところ、同行していたマネージャーの子どもたちに「コンビニに住んでいる」と勘違いされた思い出を紹介。夢を壊さないように「そうだよ。コンビニに住んでいて、食べ物も飲み物も全部食べ放題なんだよ」と合わせたという微笑ましいエピソードを披露した。

一方、高杉は、空港へ向かうタクシーで、おしゃべり好きの運転手から壮絶な人生話を聞かされ続け、時間が迫っていたにもかかわらず「大丈夫です」と言ってしまったというエピソードを披露。「この面白い話が聞けるなら、もう次の便でもいいかと思っていました」と語り、会場を和ませた。

イベントの最後、高杉は『家族とは何か』を改めて考えた作品だと述べ、「この映画を観た後は、家族だけでなく、隣にいる誰かのことも思いやれるようになる作品だと思います。見えないだけで、いろんな背景や事情を抱えて生きている人たちがたくさんいる。この作品には多くの“主観”が描かれていて、それぞれの人生の背景を想像させてくれる映画です。観てくださる方の価値観や人生を少しでも変えられる力があると信じています」と語り、イベントを締めくくった。

取材・撮影・テキスト:CulTame com(カルタメコム)編集部

『架空の犬と嘘をつく猫』
<STORY>
弟の死が受け入れられない母のため、弟のフリをして母に手紙を書き続ける、小学生の山吹。空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、夢を語ってばかりの適当な祖父と“噓”を扱い仕事をする祖母、そして“嘘と嘘つきが嫌い”な姉。一つ屋根の下に住んでいながらもバラバラに生きている家族の中で山吹は今日も嘘をつきながら成長していく―。

高杉真宙
伊藤万理華 深川麻衣 安藤裕子 向里祐香 ヒコロヒー
鈴木砂羽 松岡依郁美 森田 想 高尾悠希 後藤剛範 長友郁真 はなわ
/安田 顕 余 貴美子 柄本 明

監督:森ガキ侑大
脚本:菅野友恵
原作:寺地はるな『架空の犬と嘘をつく猫』(中央公論新社刊)
音楽: Cali Wang
製作:菊池貞和 津嶋敬介 村松秀信 秋元巳智雄 森ガキ侑大 安部順一 指山弘雄 友廣一雄
プロデューサー:布川 均 赤澤賢司 宮川宗生 ラインプロデューサー:眞保利基
撮影:山崎 裕 照明:尾下栄治 録音:猪股正幸 美術:中村三五 編集:鈴尾啓太 VFX:須藤公平
スタイリスト:髙木阿友子 ヘアメイク:西村佳苗子 音響効果:勝亦さくら 助監督:鈴木雄大 制作担当:羽出和也 スチール:西山 勲
映画「架空の犬と噓をつく猫」製作委員会(ポニーキャニオン ホリプロ 東映エージエンシー ヒューマックスエンタテインメント KUJIRA 中央公論新社 サガテレビ ビ―プラスト)
制作協力:佐賀県フィルムコミッション
製作幹事・配給:ポニーキャニオン
制作プロダクション:ヒューマックスエンタテインメント ホリプロ
文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会

©2025 映画「架空の犬と嘘をつく猫」製作委員会 2025年/日本/125分/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/PG12

2026年1月9日(金)TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー

タイトルとURLをコピーしました