
ジャン・ルイジー(姜瑞智)監督、チュー・モンシュエン(初孟軒)チョン・ユエシュエン(鍾岳軒)
10月30日に都内で行われた、アジアを代表するマルチコンテンツマーケット「TIFFCOM2025」(東京国際映画祭併催)の【TAIWAN DAY】。最新の台湾ドラマが3作品紹介されるとともに、各作品に出演する、アイドルから中堅実力派まで総勢9名の俳優たちが会場に駆けつけた。
フレッシュなアイドルが競演する
ジアン・ビンチェン(姜秉辰)監督作
「𨍭過頭,替你擦眼淚(原題)」

最初に紹介されたのは、人生における避けられない喪失と後悔を、学園を舞台に描く青春ラブストーリー「𨍭過頭,替你擦眼淚(原題)」。メインキャストは、それぞれにボーイズグループに所属するキラキラのアイドルたち。ホー・イエンカイ(禾雁凱/ARKis)、チャン・ジュンジア(張鈞嘉/F.F.O)、チェン・ディヤオチェン(鄭彫秦/ARKis)の3人と、監督のジアン・ビンチェン(姜秉辰)が来場した。
このドラマは、台湾の人気オーディション番組を制作し数々のアイドルを輩出している、TPOP ENTERTAINMENT(踢帕娛樂)が手がける初のドラマ作品で、劇中の音楽もすべてTPOP ENTERTAINMENTのオリジナル楽曲となるそう。監督のジアン・ビンチェンは、これまでにも「秘密關係 Secret Lover」「奇蹟」(総監督)「Be Loved in House 約・定~I Do」などのBLドラマの人気作を手掛けている。
ドラマの役名は、本人の名前がそのまま採用されているという3人が、自身の演じるキャラクターを紹介してくれた。

ホー・イエンカイ「外見は硬いけれど、内面はすごく柔らかいキャラクター。病気で限られた時間しかないなか、残りの時間をどう過ごしていくか、という役どころです」

チャン・ジュンジア「すごく明るくて音楽が大好きだけど、お金はない…という役です」

チェン・ディヤオチェン「僕はチャン・ジュンジアの笑顔を見るためなら、どんな手段を使ってもなんでもする役です」
最後にホー・イエンカイが、「これは僕たちにとって初めてのドラマです。まだ撮影が終わっていないので、これからもみんなと一緒に楽しんでいきたいと思います。今日このような機会をいただきありがとうございます。来年また皆さまにお会いできることを楽しみにしています。よろしくお願いします!」と締め括った。
2026年2月配信予定!
「流星に誓う僕たち(原題:向流星許願的我們)」

続いては、「流星に誓う僕たち(原題:向流星許願的我們)」から、チョン・ユエシュエン(鍾岳軒)&チュー・モンシュエン(初孟軒)、ユー・ジェエン(余杰恩)&各務孝太(かがみこうた)の、劇中の2カップルと、パン・シンホイ(潘心慧)プロデューサー、ジャン・ルイジー(姜瑞智)監督が登場。
まずは、台湾の美しい海辺の街を背景に2カップルが友情と恋を繰り広げるダイジェスト映像が公開された。「このドラマは“願い”“癒し”“愛”をテーマにした台湾のBLファンタジードラマ。もし流れ星にかけた願いが本当に叶ったら…という思いから生まれた物語です」と、パン・シンホイプロデューサー。ジャン・ルイジー監督からは、「このドラマで皆さんに最も伝えたいのは、“人生2度目のチャンスがあったら何を叶えたいか”と“愛”です」と紹介された。
続いて俳優たちが自己紹介し、撮影中一番印象に残っているシーンを語った。


チョン・ユエシュエン「皆さんこんにちは。チョン・ユエシュエンです。どうぞよろしくお願いします。(ここまで日本語で)
シーンではなくドラマ全体で言うと、もし自分の人生で、家族や恋人の愛などすべてを失ったときに、どうやってもっと人生を送ることができるか、ということが、演じた役を通して印象に残っていることです」
チュー・モンシュエン「皆さんこんにちは。私はチュー・モンシュエンです。今日はたくさんの方に来ていただいて本当に感謝しています。嬉しいです。この作品をよろしくお願いします。実は初めての日本です。シャケ食べたいです(笑)!(ここまで日本語で)
いま流れたダイジェストの中に、ユエシュエンが僕を引っ張ってくれているシーンがありました。ドラマの中でも、実際の僕たち2人の友情でも、僕は彼にすごく感謝しています。役でも役以外でも、僕を引っ張ってくれた人はユエシュエンでした」


ユー・ジェエン「台湾と日本の皆さん、こんにちは。ユー・ジュエンです。(と日本語で)
最も印象に残っているシーンは、先ほどの映像にもあった、船上にいる各務くんに、下から僕がいろいろ告白するシーンです。とくに印象的なのは、以前に各務くんが僕に言ったことを、今度は僕が彼にもう一回言わなきゃ、と……これ以上は皆さん、本編で楽しんでください(笑)。そこに苦労したので、とても印象に残っています」
各務孝太「こんにちは、各務孝太です。一番印象に残っているシーンは、僕がジュエンにした告白を、彼が受けとめるシーンです。とても心に残っています」
次の「もし本当に流れ星に願いをかけるとしたら?」という質問の回答でも、カップル同士の仲良しぶりがうかがえた。
各務孝太「願いをかけるなら、僕は透明人間になりたいです。なぜなら透明人間になればジュエンがどこに行こうとバレずに一緒に行けるから。そこがいいなと思いました」
ユー・ジェエン「瞬間移動、ほしい(と日本語で)! そうすれば日本に行きたいときに行けるからです。そのときは多分、透明人間も一緒に来るのだと思います(笑)」
チュー・モンシュエン「僕が願うのは、時間をコントロールする能力です。時を過去に戻してもう1回人生の選択をしたいので」
チョン・ユエシュエン「このドラマのテーマは“願い”ですよね。モンシュエンの願いには絶対代償があると思うので、自分がその代償になりたいというのが、僕の願いです」
実力派俳優による感動に満ちた家族の成長物語
「サンフランシスコビューティーサロン(原題:舊金山美容院)」

最後に紹介されたのは、台湾のテレビ局・TVBSのオリジナルドラマ「サンフランシスコビューティーサロン(原題:舊金山美容院)」。台湾の朝食店と美容院を舞台にし、日常の中にある感情や家族のつながりを俳優たちの繊細な演技と監督の丁寧な演出で描く、感動に満ちた家族の成長の物語だそう。
メインキャストの実力派俳優ヤン・ミンウェイ(揚銘威)とヤン・チン(揚晴)が来場し、自身の役を紹介するとともにドラマへの思いなどを語った。
ヤン・ミンウェイ「皆さん、こんにちは。僕はこのドラマで3姉弟の2番目を演じています。朝食店のスタッフで、表面上は何でも持っているように見えますが、実際には職場でも家族の中でも大きなプレッシャーを背負っています。
僕にとって難しかったのは、表面上は華やかでありつつ内面は不安定で、常に比べられたり変えられたりすることを恐れている複雑な感情を演じることでした。
劇中では、姉役のヤン・チンさんと姉弟関係で、彼女は家でも仕事でも競争相手であると同時に父親の承認も求めています。
このドラマの特別な魅力は、一見完璧に見えても、実はひび割れている家族のリアルな姿を描いているところです。どの家族にも、絆もあれば不完全なところもありますよね。ドラマをご覧になる皆さんに、美容院や朝食店の賑やかな競争を感じさせるだけでなく、葛藤する僕の役を通して、自分と正直に向き合い、家族との関係を取り戻すところをお見せできればと思います。この作品を楽しんでいただければ幸いです」


ヤン・チン「はじめまして、私はヤン・チンです。よろしくお願いします。
私が演じる3姉弟の長女は、幼い頃から朝食店を営む家族の中で育ち、責任を担い秩序を保つことにも慣れています。一見すごく強く見えますが、実際は自分が理解されているのか、見てもらっているのかを疑うことが多いです。
この役は私にとって大きな挑戦でした。多くの感情をセリフだけでは表現できず、表情や身体、視線で伝える必要がありました。
劇中では、私はヤン・ミンウェイさんが演じる弟と家族ですが、競争や誤解により距離が生じます。争いや衝突をしていくうちに、互いに理解し合い、共に成長する過程が描かれますが、この変化はとてもリアルで感動的です。
このドラマは朝食という身近な要素から始まり、異なる世代の家族関係、兄弟の絆が描かれ、愛や責任までが絡み合っています。私が演じる役を通じて、自分が人から理解されること、自分が人を理解することを学ぶ姿を見て、感じていただければ幸いです。もし皆さんが家族や職場でプレッシャーを感じることがあれば、彼女の物語に共感できる部分があるかもしれません。ぜひ楽しんでください」
なお、「サンフランシスコビューティーサロン(原題:舊金山美容院)」は台湾では放映されており、日本ではiQIYI (アイチーイー)アプリで視聴することができる。
取材・撮影・テキスト:CulTame com(カルタメコム)編集部
