
韓国で観客動員数5週連続第1位、韓国観客動員数750万のメガヒットとなったクライムアクション映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』が4月11日(金)より劇場公開される。
これに先立ち、4月3日(木)、リュ・スンワン監督、主演のファン・ジョンミン、そしてチョン・へインが来日し、緊急来日記者会見が行われた。

多くのメディアが迎える中、3人が登場。
リュ・スンワン監督「皆さん、こんにちは。『ベテラン』を演出したリュ・スンワンです。今日は貴重な時間をさいて来てくださってありがとうございます」
ファン・ジョンミン「こんにちは。ファン・ジョンミンです。このように日本に来て『ベテラン』を皆様に紹介することができ、このような場を設けていただいたことをとても光栄に思います。ありがとうございます」
そしてチョン・へインは日本語で「皆さん、お会いできて嬉しいです。韓国俳優、『ベテラン』のチョン・へインです。少し緊張しますね。頑張りますので、よろしくお願いします」とそれぞれ挨拶した。
9年ぶりファン・ジョンミンとのタッグについて聞かれたリュ・スンワン監督は、
「前作の『ベテラン』は、国内外で大成功を収めることができました。それは予想以上のことだったので、当然今回の主人公はファン・ジョンミンさんを迎えて続編を作ろうと思っていました。しかし、『ベテラン』よりも良い作品を作らないといけないというプレッシャーがありましたので、着手するまでに少し時間がかかってしまいました。でも9年もかかるとは思ってもいませんでした。撮影をしながらも、本当に9年ぶりに撮っているのだろうかという話をするくらい、信じられないような思いでした。でも撮影が始まった時はまるで9日ぶりに撮っているようなそんな気持ちでした。9年ぶりに現場で撮影していた時は本当に嬉しかったです」と語った。
それに対し、ファン・ジョンミンは、
「『ベテラン』が終わった後、『ベテラン2』を撮りたいね、撮らないと、という話をしていたのですが、『ベテラン』を超えるような良い作品を作るため、観客の皆さんにさらに映画の世界に没入し、理解していただけるような作品を作るため、監督はかなり悩まれていて、そのために時間がかかってしまったのだと思います。でもその後、監督とは他の作品でもご一緒していたので、今回久しぶりに息を合わせる中でも、やりづらさはなかったし、久しぶりでぎこちないという感覚も全くありませんでした。僕たちも9年の時間が経ったことを全く実感できなかったんですね。『ベテラン2』を撮るというお話を聞いた時に、もうあれから9年経った?という話をお互いにしていました。『ベテラン』に込められているストーリーが観客の皆さんに支持され、受け入れていただいた作品となっていたし、周囲の方たちの中にも作品を見たという方が沢山いらっしゃって、お正月やお盆などに地上波3社が『ベテラン』の放送をよくしていたので、『ベテラン2』までに9年もの時間が経ったということを感じずにいる方が多かったのではないかと思います。『ベテラン2』は9年という時間が経っていたにもかかわらず、『ベテラン』を撮り終えたあと、続けてすぐ『ベテラン2』を撮っているような気持ちで撮影していました」と、まるで時間が空いたことを感じさせない撮影現場だったことを振り返った。
先輩であるファン・ジョンミンとの共演についてチョン・へインは、
「作品に入る前から、前作の『ベテラン』が多くの方に愛された作品だったので、とても緊張していました。でもファン・ジョンミン先輩のおかげで早く現場に溶け込むことができたと思います。そして作品に対してのプレッシャーを感じることなく、演技だけに集中できるように助けていただいて、心から感謝していました。1日1日、1シーン、1シーン撮り進める中で、以前感じていたプレッシャーは自然と消えていきました。そして今すべきこと、今撮るべきシーンに集中することができました。超えていかなければいけない山は非常に大きかったのですが、撮影だけに集中することができました。プレッシャーは後の問題にして、とにかくベストを尽くして与えられた撮影だけに集中して頑張ろうと思いで、撮影していました」と話し、プレッシャーを感じながらも役に向き合った撮影の日々を振り返った。
するとファン・ジョンミンはチョン・へインとの共演について、
「まずチューはしていないのでよかったと思います(笑)」と笑いを誘い、続けて
「へインがこの作品に参加すると聞いた時、両腕を高く掲げて拍手をした記憶があります。本当に良かったと思いました」と振り返る言葉からは、共演を心から喜んだ様子がうかがえた。
「『ベテラン』が持っているエネルギー…韓国で大成功した作品という、その作品がもつエネルギーがある中、『ベテラン2』で新しい役割を持って参加するということは、俳優にとってかなり大きな勇気が必要なことだったと思います。僕たちは『ベテラン』から参加しているので、前作からの継続性、これまで築き上げたものを引き継いで、少し気楽に『ベテラン2』に参加できたのですが、新しく参加する俳優にとってはやりづらさもあるでしょうし、大変なプレッシャーもあったかと思います。また、韓国では『엄친아(オムチナ)』(※「お母さんの友達の息子」という意味だが「なんでもできる完璧な男の子」「いくら頑張っても勝てない存在」などの意味で使われる)という言葉があるのですが、チョン・へインさんと言えば、その言葉のような全てを兼ね備えた自慢の息子というイメージが強く、それで知られている方でしたので、そんなイメージを持ったへインさんが悪役を演じるということに対するプレッシャーもあったと思います。でも今回映画をご覧いただければわかると思いますが、そんな負担を乗り越えて余りある非常に見事な演技をしていらっしゃるので、心からの拍手を送りたいです」と、俳優としての実力と挑戦を讃えていた。
アクションシーンで印象に残っているエピソードを聞かれたチョン・へインは、
「今回はアクションが多かったです。インパクトのあるシーンと言えば、階段でのアクションシーンと言えます。そして個人的に記憶に残っているのは、僕が演じたパク・ソヌがソ・ドチョル刑事に男性の大事な部分を加撃されるシーンです。あのシーンは見ていてもとても苦しかったですし、撮影している時にも本当に困ってしまった記憶があります」と答えると、監督もファン・ジョンミンも大笑いしていた。
またファン・ジョンミンは、
「本当に寒い真冬に撮影が行われていました。特にソウルで撮影していた時はとりわけ寒い時期でした。屋上で、水をまいた所で雨にあたりながらアクションをするシーンが記憶に残っているのですが、正直に言って、そのアクションがうまく撮れるか撮れないかということには関心がなく、寒すぎてひたすらこのシーンを早く終えて、家に帰ってシャワーを浴びたいということばかり考えていました」と話すと、これにも監督は大笑い。そのシーンだけで、夜通し5日間撮影していたとのことだった。
「あなたが考える理想のベテランとは?」という質問には、
監督は「こういった質問にうまく、見事に答えられるのがベテランだと思うのですが、私はまだうまく答えられないですね」と控えめに語り、
チョン・へインは「僕が(ファン・ジョンミンさんより)先なんですね(苦笑)今、一生懸命考えていましたが…僕が考えるには二つあるような気がします。一つ目は韓国アクションの活劇の演技、そして犯罪アクションもののスタートと言えるような人がベテランだと思います。まさにこの作品が一つのシリーズとして、これからも多くの人に愛されてほしいと思っています。そしてもう一つのベテランというのは、各自の居場所、立ち位置で自分の仕事を頑張って、人にとって鑑になるような人、そして他の人を助けられる人がベテランと言えると思います」と、真摯な言葉で語った。
するとファン・ジョンミンが、
「僕が言おうとしていたことなのに、先に言われてしまいました。次からは僕に先に答えさせてください」と笑いを誘い、すかさず監督が「こういう人がベテランなんですね」と茶目っ気たっぷりに応じて、会場の笑いを誘った。
そして最後にファン・ジョンミンは、
「理想的なベテラン像、とても難しい質問だと思います。さきほどへインさんがお話してくれたように、自分の立ち位置、居場所の中で、しっかりと頑張って仕事をしている方たち。そしてここにいらっしゃる皆さんも同じだと思いますが、仕事を離れた場所で自分の人生の中で、例えば家庭の主婦や、父親として、学生として、自分のやるべきことをしっかりとしながら、自分の人生をしっかりと生きている、そんな皆さん全てがベテランなのではないかと、今思いました」と語った。
取材・撮影・テキスト CulTame com(カルタメコム)編集部
『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』
4月11日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(原題:베테랑2)(英題:I,THE EXECUTIONER)
監督:リュ・スンワン
脚本:リュ・スンワン、イ・ウォンジェ
上映時間:118分
出演:ファン・ジョンミン、チョン・へイン、アン・ボヒョン、オ・ダルス、チャン・ユンジュ、オ・デファン、キム・シフ、
シン・スンファン

2024年/韓国/韓国語/118分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳 根本理恵
提供:KADOKAWA Kプラス MOVIE WALKER PRESS KOREA
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
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